【書評】ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー
ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー – The Blue Bottle Craft of Coffee –
著者:ジェームス・フリーマン/ケイトリン・フリーマン/クレイ マクラーレン
出版:株式会社ワニブックス
創業・サードウェーブ・日本進出
ブルーボトルコーヒーの創業は2002年にアメリカ・カリフォルニア州・オークランドの小さな倉庫(ガレージ)から始まりました。『コーヒー界のApple』と呼ばれた理由は、スティーブ・ジョブズらが同じくガレージでアップルを創業したことに重なるからです。
ブルーボトルコーヒーは2022年、創業から20年となります。日本初出店が2015年、当時は長蛇の行列ができたニュースなど、大々的にメディアにも取り上げられました。その時の印象が強く、最近できた企業のように思われることも多いですが、意外にもその歴史は古いです。
日本ではサードウェーブの代表ともされているブルーボトルコーヒーですが、
アメリカでは、御三家と評される
・スタンプタウンコーヒーロースターズ
・カウンターカルチャーコーヒー
・インテリジェンシアコーヒー
に続く後発とされています。
サードウェーブやスペシャルティについて分かりやすくまとめられている書籍は下記があります。堀口珈琲の元社長である伊藤氏による名著です。あいまいな定義をその背景から丁寧に説明しています。
ブルーボトルコーヒーと日本の喫茶店
本書は、コーヒーの栽培や精選、焙煎、抽出などコーヒーの基礎知識を広く紹介するとともに、ブルーボトルのこだわりについても随所に述べられ、実際のレシピも余すことなく公開しています。
創業者のジェームズ・フリーマンは、日本の喫茶店文化に大きな影響を受けており、特に渋谷にある『茶亭 羽當(はとう)』を最高のカフェの一つとして紹介しています。
「茶亭 羽當(はとう)」は渋谷という若者の町にありながら異質の世界観があり、店内ではマスターが洗練された所作でコーヒーを淹れてくれます。ブルーボトルのネルドリップコーヒーの淹れ方は、ジェームズが何度も通って話を聞き、ノートに書き留めた彼らの抽出方法を基にしているようです。
また、ジェームズがはじめてネルドリップコーヒーを飲んだのは、2008年銀座「カフェ・ド・ランブル」でした。
(珈琲だけの店カフェ・ド・ランブル Webサイト)
http://www.cafedelambre.com/
当時も生ける伝説のようであった創業者の関口一郎さんは2018年に103歳で亡くなりましたが、海外の方にも著名な名店です。
上記の2店は世界的にみても独特な、まさに日本の喫茶店文化を象徴するようなお店でしょう。東京にお越しの際はぜひ来店してみてはいかがでしょうか。
ブルーボトルコーヒーのブレンド
定義があいまいなサードウェーブですが、『Fuglen Tokyo(フグレン トウキョウ)』など北欧のコーヒーショップのイメージにも連想されて、ブルーボトルコーヒーも浅煎りシングルオリジンのお店?のように捉えられることも多いです。
一方、深煎りも含めた珠玉のブレンドもそろえています。
定番ブレンドの3品を比較記事を作りましたので、そちらもご参考に。