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日本のコーヒー消費量(2023年更新)

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日本のコーヒー消費量

日本のコーヒーの消費量(コーヒー豆ベースの統計)は順調に増えてきましたが、2016年~18年頃をピークに減少に転じました。さらに2020年のコロナウイルスの蔓延と外出規制により、特にカフェや自動販売機、コンビニなどでコーヒーを消費する量が大きく減少したことが追い打ちをかけました。

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一方で、コーヒーの飲用場所別のデータでは、2020年は家庭内での消費が伸びた年でもありました。

2020 年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響のため郵送調査で実施。2018 年以前と 調査方法が異なることに注意が必要ですが、今後に向けた新たな変化といえるでしょう。

2022年の『全日本コーヒー協会』の重大ニュースでは、以下のように報じています。人口減少が進んでいる中でも消費量が伸びるという事はつまり、日本人の生活習慣にも変化の兆しがあるということではないでしょうか。

参照

2021/22 年度の世界のコーヒー消費量は2 年連続で増加、前年度⽐3.3%増の⾒込み。2022年の⽇本の消費量もコロナ禍での減少から回復し4 年ぶりに増加に転じる⾒通し

https://coffee.ajca.or.jp/data/topics/index.html

日本のコーヒートレンド

過去25年間(四半世紀)を振り返ると、象徴的な出来事がいくつもありました。

1996年 スターバックスが日本に上陸

1997年 タリーズジャパンの創設(松田公太氏)

2000年代 堀口珈琲、丸山珈琲をはじめとした自家焙煎珈琲店がスペシャルティコーヒーを牽引

2010年代 コンビニのカウンターコーヒーの成功(※)

2015年  ブルーボトルコーヒー日本上陸 → サードウェーブ流行

※2013年1月に導入されたセブンカフェは、年間4.5億杯からスタートし、2018年度は11億杯を突破しています。
出典:https://toyokeizai.net/articles/-/331280

スペシャルティコーヒーの競技会でも、次々と日本人初の世界チャンピオンが生まれました。

  • 2013年 ロースティングチャンピオンシップで後藤直紀氏(豆香洞コーヒー)が優勝
  • 2014年 バリスタチャンピオンシップで井崎英典氏(当時は丸山珈琲所属)が優勝
  • 2016年 ブリュワーズカップで粕谷哲氏(当時はCOFFEE FACTORY所属)が優勝

特に2010年代は日本のコーヒー業界で新しい話題が事欠かなかったことも消費量が伸長したひとつの要因ではないでしょうか。

今後、近年の人口構成や働き方の変化を捉えた、新たなトレンドが生まれていくのかもしれません。2020年以降、急速に拡大をしているパーソナライズ × サブスクもそのひとつになるかもしれません。

スペシャルティコーヒーの歴史・Qグレードコーヒーとの違い

昨今、様々なコーヒーで使用されるようになった「スペシャルティ」の表現ですが、多様な解釈がされており、各国でもその捉え方が異なるため、明確に定義するのが難しいのが現状です。

「日本スペシャルティコーヒー協会」では、以下の通り説明しています。

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。

カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)

具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。

日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。

https://scaj.org/about/specialty-coffee

難解ですね。。

一方でこの言葉を初めて使ったとされる人は共通しており、米国で「Knutsen Coffee」を経営していた「Erna Knutsen」(エルナ・クヌッセン)とされています。彼女はコーヒー業界ではスペシャルティコーヒーの生みの親や母と表現されることもあります。

Knutsen氏は1974年に業界誌の「ティー&コーヒー・トレード・ジャーナル」にて、自分の販売するインドネシアやエチオピア、イエメンの豆を指して「スペシャルティコーヒー」と呼びました。米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)が公開している記事では、1978年にKnutsen氏は「特別な局所気候が独特の風味の豆を生み出す」と述べ、スペシャルティコーヒーについて、さらに一歩進んだ見解を示しています。

常識が変わる スペシャルティコーヒー入門

上質なコーヒーの表現として使用されていた「グルメ」という表現が陳腐化するともに、「スペシャルティ」に置き換わり、その後広義に解釈がされた「スペシャルティ」の表現は法的規制や登録商標などはされず、広がっていきます。

Qグレーダーの認証団体である米国のCQI(coffee quality insutitute)という非営利団体の登録する「Q認証コーヒー」(Qグレードコーヒー)というものが存在します。一般的にはこの協会基準で80点以上の点数がついたコーヒー=スペシャルティコーヒーであると捉えられており、正式な解釈ではないものの、スペシャルティコーヒーはQグレーダーが80点以上をつけたコーヒーであると理解が進んでいるのが実態ではないでしょうか。

ちなみに「スペシャルティ」と「スペシャリティ」の違いは明確で、

  • アメリカ英語では「スペシャルティ specialty」
  • イギリス英語では「スペシャリティ speciality」

となっており、どちらも間違いではないです。

一人当たりの消費量(国別)

つづいて、国別の消費量の違いについてみていきます。

他国の消費量と比較をしてみると、アメリカやスイス、北欧のノルウェーなど日本よりさらに多くコーヒーを飲む国もあります。まだまだ伸びしろはあるようですが、コーヒー文化の違いを実感します。

カフェ・喫茶店の書籍紹介

すべては一杯のコーヒーから(新潮文庫)


タリーズジャパン立上げの物語。意外に知られていませんが、アメリカのタリーズはすでに倒産しています。当時シアトルのローカルコーヒー店の一つであったタリーズを日本人である松田公太氏が目をつけ、1997年にライセンス付与の形で日本に出店。そこから日本では知らない人がいないという一大コーヒーチェーンに育て上げるまでが描かれています。その後、国会議員にもなった松田氏の苦闘の歴史が分かります。

スターバックス成功物語


世界で最も有名なカフェ、そしてコーヒーのブランドはスターバックスでしょう。ハワード・シュルツは創業者ではありません。彼の生い立ちから、その熱意、そして世界で最も成功したコーヒー店である現在の「スターバックス」をどのように作っていったかが描かれています。

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