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日本のカフェ・喫茶店の数

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喫茶店のはじまりと推移

はじめに、日本の喫茶店の歴史をたどります。

日本初の喫茶店は1888年、鄭永慶(ていえいけい)が上野に開業した「可否茶館(かひさかん)」と言われています。
鄭永慶は16歳で米エール大学に留学、その後岡山師範中学校(現岡山大)の教頭を経て大蔵省官僚になるも1887年辞職、同年焼失した自宅跡を喫茶店として開業しました。
残念ながら事業としては儲からず、その後4年で廃業しています。

鄭永慶(ていえいけい)
参照 https://smart-flash.jp/sociopolitics/138939/

銀座の3大カフェー

1911年に銀座3大カフェーとも称される3つの喫茶店が誕生します。

  • カフェー プランタン 1911年 3月 創業
  • カフェー ライオン  1911年 8月 創業
  • カフェー パウリスタ 1911年 12月 創業

ライオンは今は「銀座ライオン」「ビアホールライオン」として、パウリスタは現在も喫茶店として銀座にお店を構えています。パウリスタの創業者である水野龍(みずのりゅう)はもともとブラジル移民を送り出す皇国殖民会社を経営しており、サンパウロ州政府から生豆の無償提供を受け、大隈重信の援助で開業しました。芥川龍之介など作家が集まる店であったようで、戦前の水商売系カフェーではない、日本喫茶店の源流とされています。

現在のパウリスタ 銀座本店
【参照】銀座 カフェーパウリスタ 公式サイト https://www.paulista.co.jp/user_data/shop

戦後の拡大から減少 ~喫茶店数の推移~

戦後に生豆の輸入が再開すると、少しずつ店舗が増えていきます。いざなぎ景気(1965-1970年)が終了後、「脱サラ」がブームとなり独立・開業が増加。本格的な料理は無理でもコーヒーなら淹れられる、敷居が低いと考えた人が多かったようです。個人経営の喫茶店・カフェを中心に1980年ごろまでに急拡大。約15万店(うち約13万店は個人経営)まで増加しました。

しかし、1981年をピークに減少を始めます。ドトールなど大手コーヒーチェーンがフランチャイズを始め店舗数を拡大、そして卸元の焙煎会社の直営店が競合となり、価格競争が激化したことや、店舗数が飽和しマンネリ化してしまったことが原因とされています。

さらにバブル時代(1985-1991年)が到来し、光熱費や地代が上昇、円安による原料費上昇も重なり、客単価の低い喫茶店経営は厳しくなっていきました。

その後、レストランやファーストフード、コンビニなど喫茶店以外でも家庭外の様々な場所で、簡単に、そして多様な形でコーヒーが飲めるように普及していったことも減少していく要因となりました。

最新の統計では、喫茶店の店舗数は58,669店です。ピーク時からは、10万店近くが減ったことになります。( 2023.9.7更新版 日本コーヒー協会統計資料より)

大手カフェチェーンの店舗数

大手カフェ・コーヒーチェーンの店舗数は、以下の通り。

  • スターバックスコーヒー 1,771店舗
  • ドトールコーヒーショップ 1,066店舗
  • コメダ珈琲店 950店舗
  • タリーズコーヒー 700店舗

(参考)セブンイレブンの店舗数 = 21,342店舗

※2022年12月10日時点 各社Webサイトでの公表より

最も店舗数の多いスターバックスでも、日本の喫茶店数全体の3%以下であるので、いかに全国に個人経営での喫茶店が多いことが良く分かります。
そして王者セブンイレブンの店舗数の多さは圧巻です。

都道府県別 喫茶店・カフェ数と消費量

日本一喫茶店の多い都道府県は「大阪府」。少ない都道府県は「秋田県」でした。

喫茶店・カフェが多い都道府県

第1位 大阪府 8640店舗
第2位 愛知県 7784店舗
第3位 東京都 6710店舗


第47位 秋田県 233店舗

参照 全日本コーヒー協会 統計資料

消費量トップは「京都府」

家計調査の1世帯当たり品目別年間支出金額及び購入数量(二人以上の世帯)のデータから、コーヒーの消費量・金額では京都府が1位です。色々な見方ができますが、京都は独自のコーヒー文化があるという興味深い結果ですね。

参考資料:全日本コーヒー協会 統計資料 http://coffee.ajca.or.jp/data
『都道府県別喫茶店数・1店舗当たりの人数』
『喫茶店の事業所数及び従業員数』

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