【産地解説】ブラジル編
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歴史・生産量・消費量
ブラジルにコーヒーが伝来したのは1727年、パラナ州に近隣のフランス領ギアナから初めて苗木が伝わりました。別ルートで1760年にインドからリオデジャネイロにも伝わり、1770年にはリオからサンパウロにも伝わりました。
以降、生産量は増え続け、1850年にはついに生産量が世界一となりました。
1920年には、世界の総生産量の約80%を占めていました。
その後、他国でも増産が進んだことでシェアが下落しましたが、現在でも世界のコーヒー総生産量の4割近くを占める世界第一位の生産国です。
この圧倒的な生産量の多さ故、ブラジルに霜害がおきるなど生産量の減少が見込まれる場合、市場はすぐに反応し、コーヒーの相場価格に影響を与えます。
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ブラジルがコーヒー生産を伸ばした歴史的背景と奴隷制度をNHKが『高校講座』で解説しています。
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chiri/archive/resume039.html
ブラジル国内での消費量
ブラジルは、コーヒーの生産国でありながら、その国内消費量が多いという点特筆すべき点です。幼いころから学校で子供にコーヒーを飲ませていたり、消費量を増やそうと積極的に取り組み、成功してきました。
現在は、アメリカに次ぐ第2位のコーヒー消費量の国となり、近年サンパウロなどでは、スペシャルティコーヒーの専門店も増えています。
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また、基本的にブラジルの法令上、他国のコーヒー生豆を輸入できないという制約があるため、ブラジル国内で消費されるコーヒーのほとんどが、ブラジルで生産されたものです。まさに地産地消。
生産エリア・品種
主要な生産エリアとしては、セラード、南ミナス、パラナ、エスピリットサント、モジアナなどがあります。
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1975年に壊滅的な冷害に見まわれたことで、それまでの主力の生産エリアであった南部のパラナ州から、北部のミナス・ジェライス州などに新たなプランテーションが多く設立されました。
主要品種は、カツアイやカツカイ、アカイア、ムンドノーボです。
参考資料
・図説コーヒー 河出書房新書
・新版 THE COFFEE BOOK 誠文堂新光社
・ビジュアル スペシャルティコーヒー大事典 普及版 日経ナショナル ジオグラフィック社