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【解説】「インスタントコーヒー」と「レギュラーソリュブルコーヒー」の違い

greatcoffee
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インスタントコーヒーとは、コーヒーの抽出液を乾燥させて粉にしたものです。

すでに抽出してあるので、お湯を注げばすぐにできる手軽さが魅力です。コロナ渦で家庭内で過ごす時間が増え、その需要が増加しました。

インスタントコーヒーの起源

インスタントコーヒーが初めて世に出たのは1901年。ニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会で、日本人の科学者加藤博士が『ソリュブル・コーヒー』(溶けるコーヒーの意)と名付けて発表したのがインスタントコーヒーの始まりです。

インスタントコーヒーの製造方法

製造方法は、大きく以下の2つに分類されます。

1.スプレードライ製法

コーヒー液を霧状にして、熱風で水分を蒸発させます。とてもシンプルな製造方法です。

2.フリーズドライ製法

コーヒー液をマイナス40℃の冷凍機で凍らせ、細かく砕き、真空中で乾燥させます。真空環境下では水分が水蒸気になりやすいため、熱を大きくかける必要がなく、その結果、風味や香りを逃がさないのが特長です。

(参考)AGF Webサイト
https://www.agf.co.jp/enjoy/cyclopedia/flow/manufacture_02.html

レギュラーソリュブルコーヒーとは

ネスレは主力商品であるネスカフェゴールドブレンドなどを「レギュラーソリュブルコーヒー」と表示しています。

“ソリュブル”とは英語(soluble)で「溶ける」の意味です。

作り方はインスタントコーヒーと同じで、カップに粉とお湯を注ぐだけですが

ネスレは焙煎後のコーヒー豆を微粉砕し、抽出液で包み込むことで空気との接触を防ぎ、豆の酸化の原因となる空気との接触を抑えることができる製法を根拠に「レギュラーソリュブルコーヒー」と表現し、インスタントコーヒーとの違いを主張をしています。

「レギュラーソリュブル」と「インスタントコーヒー」の表示を巡る論争

「もはやインスタントコーヒーではない」とネスレは宣言

コーヒーには消費者を混乱させないために「レギュラーコーヒー」か「インスタントコーヒー」か表示する業界ルール(公正競争規約)があります。

規約の定義は以下の通りです。

「レギュラーコーヒー」とは、コーヒーノキの種実を精製したコーヒー生豆を焙煎したもの及び煎り豆にコーヒー生豆を加えたもの並びにこれらを挽いたものをいう。

「インスタントコーヒー」とは、煎り豆又は煎り豆にコーヒー生豆を加えたものから得られる抽出液を乾燥した水溶性の粉状、顆粒状その他の固形状のものをいう。

レギュラーとインスタントの違いは、コーヒー豆またはそれを粉砕したものか、抽出液を乾燥させた粉末かの違いです。

ネスレはレギュラーソリュブルを「インスタントとは違う新製法だ」と主張してきましたが、全日本コーヒー公正取引協議会は「基本は抽出液を乾燥させたインスタント」と結論づけ、表示を認めないことにした。

対してネスレは「企業活動を阻害する」と反発。

2014年に全日本コーヒー公正取引協議会のほか、全日本コーヒー協会、日本インスタントコーヒー協会、日本珈琲輸入協会の計4団体から退会しました。

(参考)HUFFPOST記事
https://www.huffingtonpost.jp/2013/08/28/nestle_soluble_coffee_n_3827373.html

日本の業界ルールに縛られず脱退をしてしまうネスレはさすが外資系、そして圧倒的世界一の食品メーカーですね。

2024年現在もネスレは同協会に戻っていません。

日本のコーヒー業界においても、大きなシェアを占めるネスレの反発を受け、企業・消費者にとって、今の仕組みが適切であるのか、本当にどのような規約や制度が必要なのか、協会自身の在り方も問われているのではないでしょうか。

美味しいインスタントコーヒーを探せ

 さまざまなメーカーで多様な製品が販売されています。美味しさで選ぶのであれば、、ブルーボトルコーヒー。高いですが、味は確かです。

参考文献

・レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約

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