書評
PR

自省録

greatcoffee
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

超訳 自省録 よりよく生きる

 

著者:マルクス・アウレリウス

訳者:佐藤 けんいち

発行:(株)ディスカバー・トゥエンティワン

2019年4月30日初版第1刷発行

 

マルクス・アウレリウスは第16代ローマ皇帝(在位 161年~180年)で、「自省録」は彼が激務の傍ら就寝前につけていた「瞑想記録ノート」である。

日本語では、岩波文庫の神谷訳が『自省録』というタイトルで初版1956年(改定2007年)に刊行され、今でも読み継がれている。英語圏では、瞑想を意味する『Meditations』というタイトルで普及している。

本書は、全体で487章ある文章から231章にセレクトされ、小見出しが入り、非常に読みやすく編集されている。人生訓として、自戒を込めて書かれている内容は現代人でも変わらずに教訓として受け取ることができる。

他人にとらわれず、首尾一貫して、正しい理でもって、自分で決めて、真摯に実行していくことを説いている。アドラーの心理学にも通ずるものがあるように感じた。

シンプルで、善良で、純粋で、まじめで、気取らず、正義の友であり、神々を敬い、親切で、愛情深く、自分の義務には熱心。そういう人であるように。哲学が教えるとおりの人でありつづけるように。
(電子版p88)

自分で考える能力をリスペクトしよう。この能力にすべてがかかっているのだ。この能力があるからこそ、君の精神が、自然に反した誤ったものの見方に陥ることを防いでくれる。思慮深さと、他人に対する優しい思い、そして神々に服従し運命を受け入れることを約束してくれるのである。
(電子版p164)

名声をこよなく愛する者は、幸福は自分を称賛する他人の言動にあると考える。快楽に身をまかせる者は、幸福は自分の感覚をとおしてやってくるものと考える。叡知を身につけた人は、幸福は自分の行動にあると考える。
(電子版p201)

スポンサーリンク
記事URLをコピーしました