【解説】「コーヒー」と「コーヒー飲料」、「微糖」と「甘さ控えめ」の違い
 
										「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」「微糖」「甘さ控えめ」など、コンビニやスーパーに売られているボトル入りの商品には、規約に基づいた表示のルールがあります。
「コーヒー」と「コーヒー飲料」の規格は「豆の量」で変わる
缶コーヒーやペットボトルコーヒーなどの液体の状態で販売されるコーヒーは、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に基づき、原料とするコーヒー豆(生豆)の使用量によってその表示が決められています。
『サントリーコーヒー クラフトボス』で比較をすると、商品ごとに異なっています。一般的にミルク入りのペットボトルコーヒーは「コーヒー飲料」規格であることが多いです。
コーヒー
内容量100グラム中に、コーヒー生豆換算で5グラム以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの。
コーヒー飲料
内容量100グラム中に、コーヒー生豆換算で2.5グラム以上5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの。
コーヒー入り清涼飲料
内容量100グラム中に、コーヒー生豆換算で1グラム以上2.5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの。
この計算に際して使われる換算式が「生豆換算」と呼ばれるものです。
生豆換算について
生豆換算とは、使用するコーヒーである焙煎豆やインスタントコーヒーをその元原料の生豆まで遡って重量を決めることです。
下記の通り、使用する原料により数値ルールが決まっています。
焙煎豆は1.3倍を生豆量としてで計算する。
インスタントコーヒーは 3.0倍を生豆量として計算する。
コーヒーは、焙煎すると水分が抜け重量が減ります。 インスタントコーヒーを作る過程で抽出し乾燥させることでさらに重量は少なくなります。そのため、インスタントコーヒーは倍率(生豆換算値)がとても高いです。
【具体例】生豆換算値の計算
簡単な計算をしてみましょう!
例えば、100gあたり3g の焙煎豆から抽出したコーヒーで製造したコーヒー生豆換算値は
3 × 1.3 = 3.9g / 100g
これは、2.5~5.0 g /100gの規格に入るため、コーヒー飲料の表示になります。
「無糖」「微糖」「低糖」「甘さ控えめ」の違い
「糖」に関する表示のルールは、『食品表示法』と呼ばれる法律で規定されています。前述の「公正競争規約」は自主的に設定する業界のルールですが、『食品表示法』は法律なので、違反すると法令違反となり罰せられます。
コーヒー等の飲料の場合、下記の含有量であれば表示が可能となります。
「無糖」
100ml当たり糖類0.5g未満
「微糖」・「低糖」
微糖と低糖 これ自体は同じ意味です。
これらの表示をするためには以下2つのどちらに適応している必要があります。
① 100ml当たり糖類2.5g未満
② 比較対象品(※)と比べ低減された量が2.5g以上である場合
(※)この場合、比較対象品を特定する情報と、低減された量や割合を『糖類○○g減』や『糖類○○%減』などと表示することが必要です。一般に、日本コーヒー飲料協会が策定した「コーヒー飲料等通常品(7.5g/100ml)」と比較することが多い。
①は絶対表示、②は相対表示とも呼ばれます。
ちなみに微糖の2.5gがどのくらいというと、角砂糖1個が3~4gとされていますので、参考になると思います。
「甘さ控えめ」
抽象的で個人差がある味覚に関する表示であり、特に法律で定められた基準はありません。
おいしいボトルコーヒー
ひとつ紹介するとすれば、これです。高いのでここぞというときにご賞味ください。
